遺言書保管制度を利用するのは意外に大変

遺言書保管制度を利用するのは意外に大変

遺言書保管制度を利用するのは意外に大変

遺言書保管制度を使ったことはありますか?
去年の7月から始まった遺言書保管制度ですが、実はあまり利用が進んでいないようです。
法務局としてはもっと利用を進めたいのですが、実際使ってみるとなかなか利用が難しい制度になっています。
先ず、この制度は自筆証書遺言を預かる制度になっているということです。
今回の民法改正で一部パソコンで作った目録や通帳、登記事項証明書のコピーを使うことができるようになりましたが、基本的には本文は全て自書してもらう必要があります。
最近なかなか自分の手で書くことが少なくなったにもかかわらず、全て手で書いてくださいというのもしんどい話ですよね。
そしてこの遺言書保管制度特有の問題として、A4の用紙に限定され、余白が必要ということです。
これは遺言書保管制度が法務局のスキャナで取り込んで保管するデータにして保管する、という供託という制度を利用しているためです。
そのため、A4サイズの用紙以外に記載された遺言書は預かれず、決められた余白部分に少しでも文字がかかっていたら法務局では預かれないという制度になっています。
実際、この制度を利用しようと法務局に持って行っても余白部分に少しかかっているので、預かってもらえず、持ち帰って書き直してもらったということもありました。
あとは写真入りの身分証明書がなければ利用できない、遺言書の内容はチェックしてもらえないなどの問題もありますが、概ねこの二つが利用のネックになっているようです。
ただ、3,900円で法務局で遺言書を預かってもらえ、遺言者が死亡したときに相続人か遺言執行者に通知してもらえるという制度はとても便利です。
遺言書を作ってみようかな?そう思ったときに気軽に使える制度なので、一度利用してみてはどうでしょうか?

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