司法書士の新人研修で学ぶ「相談」の重要性とその技法
司法書士としてのキャリアをスタートするにあたり、最も重要なスキルの一つが「相談対応」です。司法書士の新人研修でも、「相談」に関する講義があり、相談者とのコミュニケーションの重要性や、相談を受ける際の留意点について学びます。この記事では、その内容を一般の方にも分かりやすくお伝えします。
相談の留意点
聴くことの大切さ
相談においては、「聞く」「訊く」「聴く」という三つの異なるアプローチがあります。特に「聴く」ことは、相談者の心情を理解し、信頼関係を築くために重要です。相談者が抱える問題をしっかりと受け止め、適切なアドバイスを提供するためには、まずは相手の話を丁寧に聴く姿勢が求められます。
ゲートキーパーとしての役割
司法書士は、時に「ゲートキーパー」としての役割を果たすことがあります。これは、自殺の危険サインに気づき、適切な機関につなぐ役割を指します。毎年多くの人が自殺で命を落としている現状を考えると、相談者の中には自死遺族が含まれている可能性もあります。こうした背景を理解し、配慮ある対応が求められます。
司法書士と相談者とのコミュニケーション
心理的な不安を軽減する環境作り
相談者は、司法書士に相談する際に緊張や不安を感じることが多いです。相談者がリラックスして話せる雰囲気を作ることが大切です。非言語コミュニケーション、つまり見た目や態度、表情、話すスピード、相談室の環境などが、相談者の安心感に大きく影響します。
非言語コミュニケーションの重要性
非言語コミュニケーションは、言葉以外の要素で相手に安心感を与えるために重要です。例えば、腕を組んだり、足を組んだりすることは、相手に対して閉鎖的な印象を与える可能性があります。相談者が話しやすい雰囲気を作るためには、オープンな姿勢を心がけることが大切です。
相談技法とその実践
傾聴技法
傾聴技法は、相談者の話をしっかりと聴くための技法です。アイスブレイクとして天候の話や雑談を交え、相談者がリラックスできるようにします。また、相手の話に対して適切なあいづちを打ち、話を促すことで、相談者が話しやすい環境を作ります。
質問技法
質問技法には、開かれた質問と閉ざされた質問があります。開かれた質問は、相談者に自由に話してもらうためのもので、閉ざされた質問は具体的な情報を得るために使います。これらを使い分けることで、相談者の状況をより深く理解することができます。
相談の終結に向けて
要約と確認
相談の終結に向けて、相談者の話を要約し、自分の理解が正しいかを確認します。これにより、相談者が自分の話がしっかりと理解されていると感じ、安心して次のステップに進むことができます。
法的アドバイスの提供
相談者に対して法的なアドバイスを提供する際には、専門用語を避け、分かりやすく説明することが重要です。相談者が自分の問題を理解し、適切な行動を取れるようにサポートします。
まとめ
司法書士としての相談対応は、単に法律的なアドバイスを提供するだけでなく、相談者の心理的な不安を軽減し、信頼関係を築くことが求められます。今回の研修で学んだ技法を活用し、相談者が安心して相談できる環境を提供することが、司法書士としての重要な役割です。これから司法書士を目指す方々には、ぜひこのようなスキルを身につけていただきたいと思います。
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