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不動産の売買で、住宅ローンの抵当権抹消書類を紛失している場合

2020/09/17

不動産の売買で時々遭遇するのが、すでに住宅ローンを完済しているけれども、抵当権を抹消していないという事例です。
金融機関から住宅ローンの完済後、「お近くの司法書士にご依頼いただくか、ご自身でも抵当権を抹消できますよ」と言われて書類を渡されます。
書類を受け取ったものの、すぐに抵当権抹消しなくてもいいだろう、と抵当権を抹消しないまま置いていていつの間にか書類を紛失してしまうことがあります。

抵当権の抹消で金融機関から渡された書類を紛失した場合、不動産を売却するときに思わぬ時間がかかります。

通常、抵当権の抹消には次のような書類が必要です。
1.登記原因証明情報となる解除証書や弁済証書
2.登記済証又は登記識別情報通知書
3.金融機関の委任状
このうち書類を紛失したときに問題になるのが、2.の登記済証又は登記識別情報通知書が再発行できないということです。
この書類は、金融機関はもちろん、司法書士や法務局にも再発行できません。
そのため、登記済証や登記識別情報通知書がない状態で、抵当権を抹消するにはひと手間必要です。

登記済証や登記識別情報通知書がない場合、事前通知と言われる方法をとるか、本人確認情報を提供する方法のどちらかの方法をとります。

事前通知の場合、金融機関に連絡を取って、登記原因となる解除証書、実印で押印した委任状を再発行してもらい、印鑑証明書を交付してもらいます。
この印鑑証明書を添付して抵当権の抹消を申請すると、印鑑証明書の住所に法務局からこの申請に間違いはありませんか?と問い合わせが行きます。
この通知書に委任状と同一のハンコで押印して送り返すと登記を進めてもらえるという制度です。
この手続きの欠点は、前記の通知書が送り返されるまで、登記申請を受け付けてもらえないため、概ね登記完了まで2週間から3週間かかるということです。

もう一つは、登記申請を行う資格者代理人による本人確認情報を添付して申請を行う方法です。
事前通知と同様に、金融機関に連絡を取って、登記原因となる解除証書、実印で押印した委任状を再発行してもらい、印鑑証明書を交付してもらいますが、これに合わせて資格者代理人が金融機関の担当者から聞き取った内容等を書面にまとめて法務局に提出するための報告書を作成します。
これを本人確認情報と言います。
この場合の資格者代理人とは、登記申請を行う司法書士や弁護士が該当しますが、金融機関によってはこの方法に対応してくれないところもあるので、注意が必要です。

通常、抵当権が付いたままで不動産を売ることはできません。
抵当権は消せるようになったときに速やかに消しておきましょう。
司法書士の和田事務所では、抵当権抹消のご相談も受け付けています。
下記までお気軽にご相談くださいね。



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