簡易裁判所「mints」運用開始!

はじめに:裁判手続きのデジタル化、新たな一歩
2025年6月13日、日本司法書士会連合会(日司連)から、司法書士にとって非常に重要な通知がありました。それは、民事裁判書類電子提出システム(mints:ミンツ)が、全国全ての簡易裁判所で、2025年7月17日(木)から運用を開始するというお知らせです。
これまでも一部の裁判所で導入が進められてきたmintsですが、今回の第5次運用開始をもって、司法書士が代理人となることの多い簡易裁判所の民事事件において、書類の提出が本格的にデジタル化されることになります。これは、司法書士の業務に大きな変化をもたらす、まさに「新たな一歩」と言えるでしょう。
第1章:mints(ミンツ)とは?その目的と簡易裁判所での重要性
民事裁判書類電子提出システム「mints」とは、簡単に言えば、裁判所に提出する書類をオンラインで電子的に提出できるシステムのことです。
目的
- 利便性の向上: 裁判所へ出向く手間や郵送の手間が省け、24時間いつでも書類提出が可能になります。
- 迅速化: 審査や補正のやり取りが効率化され、手続き全体がスムーズに進むことが期待されます。
- ペーパーレス化: 紙の使用量を減らし、環境負荷の低減にも貢献します。
特に、司法書士が代理人として多数の案件を手がける簡易裁判所では、少額訴訟や支払督促など、比較的簡素な手続きが多く扱われます。これらの手続きにおいてmintsが導入されることは、業務の効率化に大きく寄与し、依頼者へのより迅速なサービス提供につながると期待されています。
第2章:2025年7月17日、何が変わる?司法書士が知るべきポイント
今回の通知で最も重要なのは、2025年7月17日(木)から、全国全ての簡易裁判所でmintsの運用が始まるという点です。
- 全国展開の意義: これまでは一部の地方裁判所や簡易裁判所に限られていましたが、今回の拡大により、司法書士は地域を問わず、多くの民事事件でmintsを利用する機会が増えます。
- 司法書士の業務への影響:
- 書類作成から提出までの一連の業務フローがデジタル中心に移行します。
- 郵送費や交通費の削減、時間短縮が見込まれます。
- システムの操作習熟が必須となり、デジタルリテラシーの向上が求められます。
- 電子署名や電子証明書の利用が日常的になります。
最高裁判所事務総局からも、引き続き民事訴訟手続きのデジタル化への協力が要請されており、司法書士業界全体として、この変化に対応していく必要があります。
第3章:mints活用に向けた準備と今後の展望
mintsの本格運用開始に向けて、司法書士事務所ではどのような準備が必要になるでしょうか。
- システム環境の整備: mintsを利用するためのPC環境やインターネット環境、そして電子署名のための準備が不可欠です。
- 操作習熟と研修: システムの操作方法を習得するための研修参加や、情報収集が重要になります。日司連や各司法書士会からも情報提供や研修の機会が設けられることでしょう。
- 業務フローの見直し: これまでの紙ベースの業務フローをデジタル環境に合わせて見直し、効率化を図る良い機会となります。
民事裁判手続きのデジタル化は、今後もさらなる進展が予想されます。将来的には、より高度なAI技術の導入や、他システムとの連携なども視野に入ってくるかもしれません。司法書士は、これらの技術革新に積極的に対応し、依頼者にとって最適なリーガルサービスを提供し続けることが求められています。
まとめ:デジタル化の波に乗る司法書士へ
全国の簡易裁判所でのmints運用開始は、司法書士業界にとって大きな節目です。これは単なる書類提出方法の変更にとどまらず、業務の効率化、ひいては国民へのより良い司法サービスの提供に繋がるものです。
デジタル化の波に乗り遅れることなく、積極的にmintsを活用し、私たち司法書士がこれからも社会に貢献できるよう、共に学び、進化していきます。
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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 和田正俊事務所 代表和田 正俊(Wada Masatoshi)
- 滋賀県司法書士会所属 登録番号 滋賀第441号
- 簡裁訴訟代理関係業務 認定番号 第1112169号
- 滋賀県行政書士会所属
登録番号 第13251836号会員番号 第1220号 - 公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート滋賀支部所属
会員番号 第6509213号
後見人候補者名簿 及び 後見監督人候補者名簿 搭載 - 法テラス契約司法書士
- 近畿司法書士会連合会災害相談員
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