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2019/12/02
以前は,株式会社の取締役の任期といえば「2年」と決まっていましたが,会社法になってからは条件を満たせば10年まで延ばせるということになりました
会社法 (平成十七年七月二十六日法律第八十六号)
(取締役の任期)
第三百三十二条 取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。
2 前項の規定は、公開会社でない株式会社(委員会設置会社を除く。)において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。
株式会社の監査役の任期も「4年」と決まっていましたが,会社法になってからは条件を満たせば10年まで延ばせるということになりました。
会社法 (平成十七年七月二十六日法律第八十六号)
(監査役の任期)
第三百三十六条 監査役の任期は、選任後四年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。
2 前項の規定は、公開会社でない株式会社において、定款によって、同項の任期を選任後十年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することを妨げない。
上記のことから取締役・監査役の任期を10年とされることが多いのですが,実際それは正しい判断なのでしょうか?
事実,取締役・監査役の任期を10年とすれば,それぞれ2年,4年とするよりも役員変更の登記申請が少なくてすみます。
しかし,登記申請を決められた時期に行わなければ,過料というペナルティを科されることを考えると,管理しやすい時期に確実に登記申請を行った方がよいのではないか?ということも考えられます。
10年という期間は長い期間です。
忘れずに確実に登記の申請を行うことを考えれば,任期を10年とするよりも,もっと短い期間で登記申請をするべきではないでしょうか?
会社法 (平成十七年七月二十六日法律第八十六号)
(変更の登記及び消滅の登記)
第九百九条 この法律の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。
(過料に処すべき行為)
第九百七十六条 発起人、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員、監査役、執行役、会計監査人・・・・・・は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
一 この法律の規定による登記をすることを怠ったとき。
二十二 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人がこの法律又は定款で定めたその員数を欠くこととなった場合において、その選任(一時会計監査人の職務を行うべき者の選任を含む。)の手続をすることを怠ったとき。
過料の制裁を受けることは,会社の代表者にとって大きな負担となりますが,それ以上にやっかいなのが,みなし解散の制度です。
株式会社が,12年間一度も登記申請をしなかった場合,その会社は解散したものとみなすという制度です。
会社の事業が順風満帆でも,このみなし解散を受けると会社がなくなってしまうかもしれない,というのがこの制度の怖いところです。
救済措置はいくつかありますが,どの方法をとるにしても会社を続けていく場合,過料の制裁は免れないでしょう。
会社をやめるか,会社を続けてペナルティを受けるか,どちらかを選ぶしかないわけです。
会社法 (平成十七年七月二十六日法律第八十六号)
(休眠会社のみなし解散)
第四百七十二条 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。
2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。
(株式会社の継続)
第四百七十三条 株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。
会社の解散決議にともなう登記,みなし解散による登記等に関わらず,解散登記が入れられると代表取締役は退任することになるため,代表取締役の印鑑証明書が取得できなくなります。
・明日取引だ,という時点で会社の印鑑証明書を取りに行ったら取れなくて取引ができなかった。
・取引銀行から印鑑証明書を要求されたが、取得できなかったために会社の運転資金がショートした。
・新規取引先が取得した登記事項証明書に解散の登記が入っていたため、取引を断られた。
そんな話にもなりかねません。
会社の登記をするのは,代表者の義務です。
会社を経営していく上で,自社の登記は適切に管理していきたいものです。
法務省が,全国の法務局で平成26年度に休眠会社・休眠一般法人の一斉整理作業を行うことを発表しました。
以下,法務省のページの引用です。
休眠会社・休眠一般法人とは
(1) 最後の登記から12年を経過している株式会社(会社法第472条の休眠会社。特例有限会社は含まれません。)
(2) 最後の登記から5年を経過している一般社団法人又は一般財団法人(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第149条又は第203条の休眠一般社団法人又は休眠一般財団法人で,公益社団法人又は公益財団法人を含みます。併せて「休眠一般法人」といいます。)
をいいます。
12年以内又は5年以内に登記事項証明書や代表者の届出印の印鑑証明書の交付を受けていたかどうかは,関係がありません。
平成26年11月17日(月)の時点で(1)又は(2)に該当する会社等は,平成27年1月19日(月)までに「まだ事業を廃止していない」旨の届出又は登記(役員変更等の登記)の申請をしない限り,解散したものとみなされ,登記官が職権で解散の登記をしますので,注意が必要です。
「あなたの会社・法人,登記を放置していませんか?」 [PDF:1.76MB]
法務局から通知を受け取った方は,必ず当事務所までご相談下さい。
当事務所では,商業・法人登記の会社設立,商号変更,目的変更,役員変更,機関変更などの登記申請,登記事項証明書の取得のお手伝いをしております。
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