成年後見制度を利用中でもできる遺言書作成のコツ
成年後見制度を利用している方にとって、遺言書の作成は重要な課題です。判断能力が不十分な場合でも、適切な手続きを踏むことで遺言書を作成することが可能です。本記事では、成年後見制度を利用中の方が遺言書を作成する際のコツと注意点について詳しく解説します。
成年後見制度とは
成年後見制度は、判断能力が不十分な方を法的に支援する制度です。後見人が選任され、財産管理や生活支援を行いますが、本人の意思を尊重することが基本です。この制度は、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が低下した方を支援するために設けられています。
成年後見制度利用中の遺言書作成のポイント
遺言能力の確認
成年後見制度を利用していても、遺言能力があると判断されれば遺言書を作成することが可能です。遺言能力とは、遺言書を作成するために必要な精神的な能力を指します。具体的には、自分の財産や家族の状況を理解し、どのように財産を分配するかを判断する能力が求められます。
ただし、成年被後見人が遺言のする際は、医師2人以上の立会いのもと、医師が事理弁識能力が回復していることを遺言に付記し、署名押印をしなければならない等の特別の方法がとられます。
専門家の相談
遺言書の作成には、法律の専門知識が必要です。弁護士や司法書士などの専門家に相談することで、法的に有効な遺言書を作成することができます。専門家のアドバイスを受けることで、法的な問題を未然に防ぐことができます。
医師の診断
医師による診断を受け、遺言能力があることを確認することが重要です。医師の診断は、遺言書の有効性を証明するための重要な証拠となります。診断書を取得することで、遺言能力があることを第三者に示すことができます。
公正証書遺言の利用
公正証書遺言は、公証人が作成する遺言書で、法的に強い効力を持ちます。成年後見制度を利用している場合でも、公正証書遺言を利用することで、遺言書の信頼性を高めることができます。公証人が関与することで、遺言書の内容が明確になり、後々のトラブルを防ぐことができます。
証人の確保
遺言書の作成時には、信頼できる証人を確保することが重要です。証人は遺言者の意思を確認し、遺言書の内容を証明する役割を果たします。証人の存在は、遺言書の信頼性を高めるために不可欠です。
遺言書作成の注意点
本人の意思の尊重
遺言書は本人の意思を反映するものであるため、後見人や家族の意向ではなく、本人の意思を尊重することが重要です。遺言書の内容は、本人がどのように財産を分配したいかを明確に示すものでなければなりません。
定期的な見直し
状況が変わった場合には、遺言書の内容を見直し、必要に応じて更新することが重要です。家族構成の変化や財産状況の変化に応じて、遺言書を見直すことで、常に最新の意志を反映させることができます。
成年後見制度を利用している方が遺言書を作成する際には、法的に有効で信頼性の高い遺言書を作成するためのコツを理解することが重要です。遺言書の作成は、将来の不安を軽減し、安心して生活を送るための重要なステップです。
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