ご相談事例:相続手続きはどうしたらいいの?流れ・手順を滋賀の司法書士がわかりやすく解説

ご相談事例:相続手続きはどうしたらいいの?流れ・手順を滋賀の司法書士がわかりやすく解説

ご相談事例:相続手続きはどうしたらいいの?流れ・手順を滋賀の司法書士がわかりやすく解説

作成日:2023年3月18日
最終更新日:2025年11月29日

滋賀県大津市の相続相談なら司法書士・行政書士和田正俊事務所

結論:相続手続きは段階ごとにやるべきことが異なります。戸籍集めから名義変更、税申告まで司法書士がしっかりサポートします。

 相続手続きは「何から始めて良いか分からない」「どこがゴールか分かりにくい」とよくご相談いただきます。実際にはやるべき段階が明確で、流れを押さえれば無駄なくスムーズに進められます。ここでは、実際に多くの方がお悩みになりやすいポイントも踏まえて、手続きの全体像と注意点を詳しくご説明します。

1.相続が「発生」したら最初の準備(死亡届と関連手続き)

  • 死亡診断書を医師から受け取る
  • 市区町村役場へ7日以内に死亡届を提出
  • 同時に火葬許可証や埋葬許可証を取得、葬祭給付の申請もここから
  • 年金・健康保険・介護保険の資格喪失届や葬祭費の申請、世帯主変更届 等

 死亡届提出の直後から、役所や金融機関から「相続手続き」を迫られる機会が増えます。公共料金やクレジットカード、保険関係の名義変更・解約も同時並行で進める場合が多いです。

2.相続人調査と戸籍の収集 ― 不備が後々トラブルになる最重要ステップ

  • 被相続人の出生~死亡までの全戸籍(除籍・改製原戸籍も)を揃える
  • 配偶者・子、代襲のケースでは孫や甥姪の戸籍も追加取得
  • 相続人の本籍地が全国にバラけている場合は郵送や職務上請求も活用

 戸籍調査は想像以上に手間と時間がかかる部分。ミスがあると金融機関や法務局から突き返されるため、司法書士・行政書士のサポートを受けると安心です。

3.遺言書の有無を確認 ― 相続手続きで分かれる大きな分岐点

  • 自宅や金庫を確認、公証役場の検索(公正証書遺言の場合)も忘れずに
  • 遺言書が見つかった場合「家庭裁判所の検認」が先に必要なことも

 遺言書の有無は、相続財産の分割手続きや不動産・預貯金の名義変更方法にも大きく影響します。

4.相続財産の調査・整理 ― 資産だけでなく負債も正確に

  • 不動産(固定資産税請求書等でチェック)
  • 預貯金・証券・保険等(通帳・証券会社・保険会社へ照会)
  • 車・貴金属・美術品など動産類
  • 借金(銀行・カード会社・知人への借入、住宅ローンなど)

 負債も相続対象になります。調べ漏れが後日の重大トラブルの原因になることもあるため、注意してください。

5.「放棄」か「承認」かの判断 ― 3ヶ月以内が原則の重要判断

  • 相続放棄:全財産と債務を放棄(家庭裁判所へ申述)、3か月以内
  • 限定承認:プラス財産の範囲内でマイナス債務を引き継ぐ特殊な手続き(相続人全員の合意が必要)、3か月以内
  • 何もしないと「単純承認」になり、全て相続することに

 放棄や限定承認はご自身だけでなく「次順位の相続人」にも大きく影響するため、迷ったら早めに相談しましょう。

6.準確定申告 ― 4ヶ月以内の重要期限

  • 被相続人が死亡する前年1月1日から死亡日までの所得について準確定申告
  • 相続人全員で協議・申告が必要です

 医療費控除・配偶者控除の適用漏れなどがないよう、税理士のチェックも有効です。

7.遺産分割協議と協議書作成 ― 相続人全員での合意と書面化が必須

  • 相続人全員参加で分割方法を決め、公正証書や実印・印鑑証明で明確にする
  • 不動産・預貯金・株式・自動車など財産ごとに分け方を指定
  • 遺産分割協議書は不動産登記や金融機関手続きでも必須となる

 分割協議がまとまらない場合や未成年者・認知症の親族が相続人に含まれる場合は、家庭裁判所の手続きや特別代理人の選任も必要となります。

8.遺産の名義変更 ― 実際の手続き段階

  • 不動産の相続登記(法務局に申請、必要書類多数)
  • 預貯金や証券口座の解約・名義変更(各金融機関等の所定書式+戸籍一式が必要)
  • 自動車や各種契約の名義変更も忘れずに

 不動産の相続登記は2024年4月から義務化され、司法書士への依頼が増えています。金融機関手続きでは「法定相続情報一覧図」を使うと効率的です。

9.相続税の申告と納付 ― 相続が発生して10ヶ月以内

  • 基礎控除「3,000万円+法定相続人×600万円」を超える場合が申告対象
  • 10か月以内の申告・納付(延滞があるとペナルティも)

 相続財産の評価には土地建物や有価証券の評価方法が複数あります。財産規模が大きい場合は、必ず税理士に相談しましょう。

トラブルや疑問があれば早めにご相談を

 上記の手続きは誰か一人が主導しないと進みません。相続人間の調整や交渉、不動産・金融資産の名義変更など、日常生活の中で自力でこなすのは大きな負担です。
 専門家の助けを借りることで、モヤモヤした悩みやトラブルのリスクを最小限に抑え、短期間で確実な相続完了ができます。

まとめ ― 相続の全体像をつかみ、一つずつ進めていくのが解決の近道です

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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 和田正俊事務所 代表和田 正俊(Wada Masatoshi)

  • 滋賀県司法書士会所属 登録番号 滋賀第441号
  • 簡裁訴訟代理関係業務 認定番号 第1112169号
  • 滋賀県行政書士会所属
    登録番号 第13251836号会員番号 第1220号
  • 公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート滋賀支部所属
    会員番号 第6509213号
    後見人候補者名簿 及び 後見監督人候補者名簿 搭載
  • 法テラス契約司法書士
  • 近畿司法書士会連合会災害相談員

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