信託を利用した遺言例3
ペットに遺産を相続させたい。
信託が利用されるまでは・・・
ペットは大切な家族です。大切な家族であるペットの今後の生活のために相続財産を残したい,というご相談はよくありました。しかし,現在の日本の法律ではペットに相続させることを想定しておらず,ペットに遺産を相続させることができませんでした。
信託を利用される前は,1. 負担付遺贈を利用して,ペットの面倒を見てくれる人に財産を贈る
2. 財団法人を設立して,残されたペットを含む動物の世話をするための法人を作るといった方法をご提案させていただいていました。
しかし,1.の方法では,・遺贈を受けた人が残されたペットの面倒を最後まで見てくれないかもしれない
・思ったとおりの方法で,ペットの面倒を見てくれるかどうかわからない
・ペットの世話を満足にしてくれていないことがわかり,親族などが遺贈を取り消し,ペットの面倒を見る別の人を選ぶことはできても,改めて選んだ人に対して遺贈することができない
などといった問題があり,2.の方法では,
・財団法人を設立するには,多額の費用が必要になる
・残されたペットを含む「動物(犬や猫など)の世話をする」という目的を定めることはできるが,特定の個体を世話をすることだけを目的とする財団法人の設立をすることはできないなどの問題がありました。
信託契約
上記の場合,ペットのために残す財産を信託財産,受益者をペットの面倒を見る人として信託契約を締結することで対応が可能です。信託契約でペットの面倒をどういった形で見るのかを詳細に定め,その定めを守っている場合,受益者が毎月一定額のペットの生活費と報酬相当額の受益権を行使できるように定めます。実際に信託契約で定められたとおりの方法で,ペットの面倒を見ているかどうかについては,受託者または信託管理人が定期的に確認を行う形にすると,なお決められたとおりの履行が期待できます。
当事務所でお手伝いできること
当事務所では,下記のことについて,お手伝いさせていただいております。
・公正証書遺言の作成支援・信託契約の起案
・信託契約の締結・信託契約の受託者・信託管理人・信託監督人への就任
上記の他にも,ご依頼者様のご希望に合わせて対応させていただきます。
相続カテゴリーに関連する記事
暗号資産の管理と相続に関するガイド
2025年3月4日
外国預金口座の管理と相続に関するガイド
2025年3月3日
自分の死後も障害のある子が困らないようにするための信託契約
2025年3月1日