登記事項証明書(共同担保目録)

登記事項証明書(共同担保目録)

登記事項証明書(共同担保目録)

共同担保目録は他にどのような担保物権があるのか確認するところです。

共同担保目録

共同担保目録は他にどのような担保物権があるのか確認するところです。

共同担保目録とは,その不動産に対して設定されている抵当権,根抵当権などと同じ債権を担保している物件の一覧を記載した部分。共同担保目録と権利部(乙区)を見ることで,その物権にあとどれだけの担保価値があるのかを,知ることができます。以下,もう少し詳しく記載していきます。

抵当権の共同担保目録

<抵当権の共同担保目録の場合>

抵当権の共同担保目録

右の架空の大津市瀬田五丁目字篠部1500番1の土地の登記事項証明書を使って説明していきます。

登記の順番①赤い部分の抵当権が登記されました。
②大津市瀬田五丁目字篠部1500番地1の建物に赤い部分の抵当権と同じ債権を担保する抵当権が設定されました。③②を受けて緑色の部分に記載された3番付記1号の登記と共同担保目録が作成されました(黄色い部分)。

共同担保の意味

抵当権の共同担保目録

競売で土地と建物が売却された場合,抵当権者は共同担保目録に記載された物件それぞれの売却代金から弁済を受けることができます。抵当権者は,土地と建物がそれぞれ2000万円で売却されたときは,売却代金の合計額の4000万円のうちから,平成23年10月10日付け保証委託契約で債務者に代わって弁済された金額を受け取ることができます。今回の場合,土地と建物の合計の価値では,まだ1000万円の担保価値があることになります。

抵当権の場合は,共同担保目録に記載されていなかったとしても,平成23年10月10日付け保証委託契約という同じ契約により債務者に代わって弁済された場合は,土地と建物の売却代金の合計額から費用を受け取ることができます。

根抵当権の共同担保目録

共同担保目録がある場合(共同根抵当権)

根抵当権の共同担保目録

抵当権の場合は,上に書いているとおり共同担保目録があってもなくても,同じ債権を担保している事は変わりませんが,根抵当権の場合は,共同担保かどうかによってまったく意味が異なります。

土地と建物に3000万円の根抵当権が共同担保として設定されている場合,土地と建物がそれぞれ2000万円で売却されたときは,売却代金の合計額の4000万円から根抵当権者は3000万円を上限に優先弁済を受けます。この場合,土地と建物の合計の価値では,まだ1000万円の担保価値が残っていることになります。

共同担保目録がない場合(累積根抵当権)

根抵当権の共同担保目録

土地と建物に3000万円の根抵当権が設定されていますが,共同根抵当権ではない場合,土地と建物がそれぞれ2000万円で売却されたときは,売却代金の合計額の4000万円から根抵当権者は6000万円を上限に優先弁済を受けます。売却代金4000万円はすべてこの根抵当権者が優先的に弁済を受けることとなります。ですから,この場合,土地と建物の合計の価値でも,担保価値はまったく残っていないことになります。

共同根抵当権の場合は,比較的不動産の所有者に有利な根抵当権の設定となり,累積根抵当権の場合は,根抵当権者(債権者)に有利な根抵当権の設定になります。根抵当権を設定するときはこの違いに注意して設定するようにしなければ,後からこの不動産を担保に追加融資を受けることができなくなる等の不利益を受ける可能性があります。ご注意ください。

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