
最終更新日:2026年2月23日
「相続税対策って、何から始めたらいいんだろう?」
「もっと早く準備しておけばよかった…」
相続に関するご相談をお受けする中で、このようなお声をよく耳にします。相続税の基礎控除額が引き下げられたこともあり、今や相続税は富裕層だけのものではなく、多くの方にとって身近な課題となっています。
そんな相続税対策の中でも、手軽で効果的な方法として注目されているのが、「年間110万円の贈与」、いわゆる暦年贈与です。
「今年はもう始めましたか?」と尋ねられて、「まだ何も…」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、暦年贈与は、正しい知識と方法で行えば、長期的に見て大きな節税効果を生み出すことができます。
この記事では、司法書士の視点から、年間110万円の贈与の基本ルールからメリット、そして見落としがちな落とし穴や具体的な進め方までを詳しく解説します。大切な財産を次の世代へ賢く、そして安心して承継するために、ぜひ最後までお読みください。
I. 導入:賢い生前対策の第一歩!年間110万円の贈与、もう始めていますか?
1.1. 相続税対策への関心高まる今、注目される「暦年贈与」
人生100年時代と言われる現代、資産を長期的に次世代へ引き継ぐ「資産承継」の意識が高まっています。特に、相続税の基礎控除額が縮小されたことで、これまで相続税とは縁が薄いと思われていたご家庭でも、対策の必要性を感じることが増えました。
そんな中、誰でも比較的容易に始められる生前対策として注目されているのが、年間110万円まで非課税で贈与できる「暦年贈与」です。
1.2. 漠然とした不安を「確実な準備」に変えるために
「いつか相続対策を始めよう」「そのうち家族と話そう」と漠然と考えているうちに、時間が経ち、病気や認知症によって手遅れになってしまうケースは少なくありません。
お正月やバレンタインなど、家族が集まる機会をきっかけに、まずは「家族の将来」について話題にしてみるのも良いでしょう。その一歩が、漠然とした不安を「確実な準備」へと変える第一歩となります。
1.3. この記事でわかること:失敗しない暦年贈与の基礎知識と注意点
この記事では、年間110万円の贈与(暦年贈与)について、以下の内容を網羅的に解説します。
- 暦年贈与の基本的な仕組みとルール
- 長期的な節税効果と具体的な活用シーン
- 税務署から指摘を受けやすい「落とし穴」とその対策
- 正しい暦年贈与の進め方
- 司法書士が提供できるサポート
正しい知識を身につけ、今年の110万円贈与を、未来への確かな一歩に繋げましょう。
II. まずはここから!年間110万円の贈与(暦年贈与)の基本ルール
年間110万円の贈与(暦年贈与)を始める前に、基本的なルールをしっかり理解しておきましょう。
2.1. 暦年贈与とは?:非課税枠110万円の仕組み
暦年贈与とは、1月1日から12月31日までの1年間に「贈与を受けた人」(受贈者)が、すべての贈与者からもらった財産の合計額が110万円以下であれば、贈与税がかからないという制度です。
ポイントは「贈与を受けた人(受贈者)視点」であること。例えば、父から100万円、母から100万円をもらった場合、受け取った側は合計200万円となり、110万円の基礎控除を超えるため、贈与税が発生します。
2.2. 贈与税の基本:税額の計算と申告の必要性
贈与を受けた財産の合計額が110万円以下であれば、贈与税はかからないため、原則として税務署への申告も不要です。
しかし、110万円を超えた場合は、その超えた部分に対して贈与税が課税されます。贈与税は「超える部分」にかかるだけでなく、110万円を超えた合計額に税率を乗じて計算されます(基礎控除後の課税価格)。税率は金額に応じて段階的に高くなります。
2.3. 「贈与」が成立するための条件:口約束だけでは不十分?
「贈与」は、法的には贈与者(あげる人)と受贈者(もらう人)双方の合意があって初めて成立します。具体的には、
- 贈与者が「財産をあげます」という意思表示をする
- 受贈者が「財産をもらいます」という意思表示をする
- 実際に財産が受贈者に「引き渡される」
これらの条件が揃って初めて有効な贈与と認められます。口約束だけでは後で「あれは贈与ではなかった」と争われたり、税務署から「贈与が成立していない」と指摘されたりするリスクがあるため、注意が必要です。
III. 賢く活用!暦年贈与のメリットと具体的な活用シーン
暦年贈与には、相続税対策としてだけでなく、様々なメリットがあります。
3.1. 長期的に大きな節税効果:相続税対策の有効な手段
毎年コツコツと110万円ずつ非課税で財産を贈与していくことで、長期的にはまとまった金額を相続財産から減らすことができます。これは、将来の相続税の対象となる財産を減らし、結果として相続税負担を軽減する有効な手段となります。
例えば、親が子に毎年110万円を10年間贈与すれば、合計1,100万円の財産を非課税で承継させることができます。
3.2. 贈与者の意思を反映:必要な時に必要な人へ
暦年贈与は、生前に贈与者自身の意思で財産を分け与えることができる大きなメリットがあります。
- 子の教育資金: 大学の学費や留学費用など、まとまった資金が必要な際に援助できます。
- 孫の結婚・出産資金: 新たな生活を始める孫に、応援の気持ちを込めて資金を贈与できます。
- 親の介護費用: 状況に応じて親自身が介護費用に充てるための資金を、子から親へ贈与することも可能です。
3.3. 遺産分割の円滑化:相続トラブルの予防策
生前に財産の一部を整理し、誰にどれくらい引き継ぐかを明確にしておくことで、将来の遺産分割協議での争いを未然に防ぎ、相続トラブルのリスクを減らすことにも繋がります。
IV. 落とし穴に注意!暦年贈与で失敗しないためのポイント
暦年贈与は有効な手段ですが、注意すべき落とし穴もあります。これらを知らずに進めると、税務署から指摘を受け、多額の追徴課税が発生する可能性があります。
4.1. 『定期贈与』とみなされないために!連年贈与の罠
毎年決まった時期に決まった金額を贈与し続けていると、税務署から「最初から〇〇年間にわたって、まとまった金額を贈与する約束があった」と判断されると、贈与開始時に総額を一括で贈与したとみなされ、多額の贈与税が課されてしまうリスクがあります。これが「定期贈与」とみなされる罠です。
【対策】
- 毎年、必ず贈与契約書を作成する。
- 贈与の金額や時期を毎年少しずつ変える。(例:110万円、109万円など)
- 贈与の都度、贈与者が受贈者の口座に振り込むなど、財産の引き渡しを明確に記録に残す。
4.2. 『名義預金』と指摘されないために!
「子や孫の口座に親が勝手にお金を振り込んでいる」「通帳やキャッシュカード、印鑑を親が管理している」といった状態は、「名義預金」とみなされ、実質的には贈与が成立しておらず、親の財産として相続税の対象となります。
【対策】
- 贈与を受けた側(子や孫)が、その財産を自由に管理・運用しているという実態を作ることが重要です。
- 通帳やキャッシュカード、印鑑は受贈者自身が管理する。
- 贈与を受けた財産を、受贈者自身が使うなど、使途を明確にする。
- 受贈者に「贈与を受けた」という認識があることが重要です。
4.3. 相続発生時の『贈与加算』に要注意!
相続税には、相続発生前の一定期間内に行われた贈与を相続財産に加算して相続税を計算する「贈与加算」という制度があります。
現状、この期間は相続開始前3年以内ですが、2024年1月1日以降の贈与から、段階的に最長7年以内へと延長されます。
この制度があるため、暦年贈与は「早めに始めること」が何よりも重要です。元気なうちから計画的に贈与をスタートさせましょう。
4.4. 不動産の贈与は特別!付帯費用とリスク
現金や預貯金の贈与とは異なり、不動産の贈与はさらに注意が必要です。
- 高額な費用: 登録免許税や不動産取得税が別途発生し、現金贈与よりも費用がかさみます。
- 将来の取得費: 贈与された不動産を将来売却する際、贈与者がその不動産を取得したときの価格が取得費となります。そのため、将来の売却時に多額の譲渡所得税がかかる可能性があります。
V. 具体的にどうする?暦年贈与の正しい進め方
5.1. 贈与契約書は必須!家族間でも書面で残そう
「家族だから口約束で大丈夫」と思われがちですが、前述の定期贈与や名義預金のリスクを避けるためにも、毎年必ず贈与契約書を作成し、保管しておくことが極めて重要です。
【記載すべき内容】
- 贈与者と受贈者の氏名、住所
- 贈与する財産の種類と金額(例:現金110万円)
- 贈与日
- 双方の署名と押印(実印が望ましい)
5.2. 贈与の証拠を残す工夫:現金手渡しは避ける?
贈与の事実と、受贈者に財産が引き渡されたことを明確に示すため、現金での手渡しは避け、金融機関の口座振込を利用することを強くお勧めします。
- 贈与者の口座から、受贈者自身の口座へ振り込む。
- 振込明細書が贈与の明確な証拠となります。
5.3. 贈与税の申告:110万円超の場合、忘れずに
年間の贈与額が110万円を超えた場合は、贈与を受けた受贈者が、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに税務署へ贈与税の申告を行い、納税する必要があります。申告を怠ると、延滞税や加算税といったペナルティが課されます。
VI. 暦年贈与を安心して進めるために!司法書士のサポート
暦年贈与は一見シンプルに見えても、税務上のリスクや法的な手続きが伴います。司法書士は、お客様が安心して暦年贈与を進められるよう、様々な角度からサポートいたします。
6.1. 贈与契約書作成のサポート:適切な書面で証拠を残す
税務署から定期贈与や名義預金とみなされないよう、税務上のリスクを考慮した、適切な贈与契約書の作成を支援します。毎年作成すべき契約書の内容についてもアドバイスいたします。
6.2. 不動産の贈与登記手続き:確実な名義変更
不動産を贈与する際には、所有権移転登記が必要です。司法書士は、この複雑な登記申請手続きを代理し、登録免許税や不動産取得税に関するご説明もいたします。
6.3. 他の生前対策との連携:総合的な視点でアドバイス
暦年贈与は、生前対策の一部に過ぎません。遺言書作成、家族信託、任意後見契約など、他の生前対策と組み合わせることで、より効果的かつ総合的な資産承継プランを構築できます。
6.4. 税理士との連携:税務の専門家と協力
贈与税の計算や相続税申告など、より専門的な税務相談については、当事務所が提携する信頼できる税理士をご紹介いたします。司法書士と税理士が密に連携することで、登記から税務までワンストップでスムーズなサポートを提供可能です。
VII. まとめ:今年の110万円贈与を、未来への確かな一歩に!
7.1. 暦年贈与は、計画的な生前対策の強い味方
メリットを最大限に活かし、リスクを回避するためには、正しい知識と計画的な実行が不可欠です。今年の110万円贈与を、未来を見据えた確かな生前対策の一環として位置づけましょう。
7.2. 後回しにせず、今すぐ準備を始めましょう
贈与加算の期間延長や、認知症による判断能力低下のリスクを考慮すると、「まだ早い」ということはありません。早めに準備を始めることで、選択肢が広がり、より効果的な対策を講じることが可能になります。
7.3. 複雑な手続きは専門家にお任せください!
贈与契約書の作成、不動産の贈与登記、他の生前対策との連携、そして税理士との連携など、複雑な手続きは司法書士にお任せください。お客様のご状況に合わせて、最適なサポートを提供いたします。
7.4. お気軽にお問い合わせください
今年の110万円贈与について、「どう進めたらいいの?」「うちの場合はどうなるの?」といった疑問や不安がございましたら、どうぞお気軽に当事務所へご相談ください。初回相談は無料で承っております。
あなたの未来への確かな一歩を、私たち司法書士が全力でサポートいたします。
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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 和田正俊事務所 代表和田 正俊(Wada Masatoshi)
- 滋賀県司法書士会所属 登録番号 滋賀第441号
- 簡裁訴訟代理関係業務 認定番号 第1112169号
- 滋賀県行政書士会所属
登録番号 第13251836号会員番号 第1220号 - 公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート滋賀支部所属
会員番号 第6509213号
後見人候補者名簿 及び 後見監督人候補者名簿 搭載 - 法テラス契約司法書士
- 近畿司法書士会連合会災害相談員
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