リーガルサポートの役割と活動

リーガルサポートの役割と活動

リーガルサポートの役割と活動

現代社会において、高齢者や障害者が安心して生活できる環境を整えることは、私たち全員にとって重要な課題です。公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート(以下、「リーガルサポート」と言います。)は、この課題に対処するために設立された法人であり、その活動は高齢者や障害者の権利擁護と福祉の増進を目的としています。この記事では、リーガルサポートの活動内容とその重要性について詳しく解説します。

リーガルサポートとは:

  • 公益社団法人成年後見センター・リーガルサポートの略称
  • 高齢者・障害者の権利擁護と福祉増進を目的とする組織
  • 司法書士が中心となって設立・運営
  • 成年後見人等の養成、推薦、指導監督を行う
  • 全国的なネットワークを持ち、地域における権利擁護の中核を担う

リーガルサポートの役割と活動

リーガルサポートは、任意後見人や成年後見人の養成、推薦、指導監督を行うことで、高齢者や障害者が安心して生活できる社会を目指しています。特に、指導監督と執務管理・支援を通じて、会員の業務をサポートする体制を整えています。これにより、会員は充実した研修を受け、個々の執務を管理・支援することが可能となります。

リーガルサポートの主な活動:

  • 成年後見制度に関する研修の実施
  • 成年後見人等の推薦
  • 会員の執務に対する指導・監督
  • 成年後見制度の普及・啓発活動
  • 地域の福祉・法律関係機関との連携

報告義務の重要性

リーガルサポートの活動の一環として、報告義務が設けられています。これは、業務の透明性を確保し、支援を受ける権利を保障するために重要です。報告には、就任報告、業務遂行報告、終了報告があり、これらは後見業務の遂行状況を確認し、問題がないかを第三者に確認してもらうために必要です。特に、就任報告は家庭裁判所への報告と同時にリーガルサポートへも行う必要があります。報告には、財産の内容や収支予定など重要な情報を含めることが求められます。

就任報告

  • 後見人等に選任された後、速やかに提出
  • 家庭裁判所への報告と併せて実施
  • 被後見人の基本情報や財産状況を記載
  • 今後の財産管理計画も含む

業務遂行報告

  • 定期的(通常は1年ごと)に提出
  • 財産管理や身上監護の状況を報告
  • 収支状況や財産目録の更新
  • 問題点や今後の方針を記載

終了報告

  • 後見等が終了した際に提出
  • 被後見人の死亡や後見人の辞任時など
  • 管理財産の引渡し完了後に行う
  • 後見業務全体の総括を含む

後見人としての業務手続き

選任後の初期手続き

後見人としての業務は、選任後、審判が確定したら新規事件登録を行い、財産の調査と目録の作成を行うことから始まります。財産管理や収支予定の作成は、後見人の重要な業務であり、これにより被後見人の生活全体を支えることが可能となります。

初期手続きの流れ:

  1. 家庭裁判所からの選任審判の確定
  2. リーガルサポートへの新規事件登録
  3. 被後見人の財産調査(預金通帳、不動産、有価証券など)
  4. 財産目録の作成
  5. 収支予定の作成と生活設計

金融機関への届出

金融機関への後見人届出時には、預金の名寄せやキャッシュカードの失効届出を行う必要があります。これにより、被後見人の財産が不正に引き出されることを防ぎます。

金融機関への届出事項:

  • 後見登記事項証明書の提示
  • 被後見人名義の全口座の確認(名寄せ)
  • キャッシュカードの失効手続き
  • 通帳の管理方法の確認
  • 後見人名義の管理口座の開設(必要に応じて)

財産管理と報告の徹底

後見人は、定期的な業務遂行報告を行い、財産の分別管理を徹底することが求められます。被後見人と後見人の財産が混同しないように管理し、やむを得ず現金で管理する場合も、できるだけ少額にすることが重要です。終了報告は、管理財産の引渡しが完了した後に行い、これにより後見業務の全体を適切に締めくくることができます。

財産管理の原則

  • 分別管理の徹底:被後見人の財産と後見人の財産を明確に区別して管理
  • 通帳管理の原則:できるだけ現金での管理を避け、通帳で管理
  • 収支の記録:全ての収入と支出を記録し、証拠書類を保管
  • 定期的な残高確認:通帳残高と収支記録の一致を定期的に確認
  • 適切な支出判断:被後見人の利益を最優先に支出の判断を行う

リーガルサポートのガイドライン

リーガルサポートのガイドラインは、後見人としての業務を適切に遂行し、被後見人の権利を守るための重要な指針を提供しています。これにより、後見人は被後見人の最善の利益を考慮し、独立した立場で業務を遂行することが求められます。

ガイドラインの主な内容

  • 被後見人の意思尊重と自己決定の支援
  • 身上監護と財産管理の適切な遂行
  • 報酬に関する考え方と適正な算定
  • 利益相反行為の回避
  • 個人情報の適切な管理
  • 後見業務の引継ぎと終了時の対応

まとめ

リーガルサポートは、高齢者や障害者が安心して生活できる社会を実現するために欠かせない存在です。後見人の養成や指導監督を通じて、彼らの権利を守り、福祉の増進を図る活動は、社会全体の利益にもつながります。今後もリーガルサポートの活動が広がり、多くの人々がその恩恵を受けられることを期待しています。

成年後見制度の利用を検討されている方や、後見人として活動したい方は、リーガルサポートの研修や支援体制を活用することで、より質の高い後見活動を行うことができます。権利擁護の重要性が高まる現代社会において、リーガルサポートの役割はますます重要になっていくでしょう。

成年後見制度に関するご相談

成年後見制度の利用や任意後見契約の締結をお考えの方は、当事務所までお気軽にご相談ください。リーガルサポート会員の司法書士として、制度の説明から申立て手続き、後見業務の遂行まで、一貫してサポートいたします。

司法書士・行政書士和田正俊事務所

住所:〒520-2134 滋賀県大津市瀬田5丁目33番4号

電話番号:077-574-7772

営業時間:9:00~17:00

定休日:日・土・祝

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