確定申告前にチェック!贈与で取得した不動産の税務処理

確定申告前にチェック!贈与で取得した不動産の税務処理

確定申告前にチェック!贈与で取得した不動産の税務処理

最終更新日:2026年2月2日

「実家を親から贈与してもらった」「夫婦間で自宅の名義を移した」など、親族間で不動産の贈与が行われるケースは少なくありません。大切な不動産を受け継ぐことは大変喜ばしいことですが、その裏には「税金」という重要な側面が隠されています。

特に、贈与によって不動産を取得した場合、確定申告の時期が近づくと「どんな税金がかかるの?」「何を申告すればいいの?」といった疑問や不安に直面する方が多くいらっしゃいます。もし税務処理を怠ったり、誤った申告をしてしまったりすると、後で思わぬ追徴課税やペナルティが発生する可能性も。

この記事では、司法書士の視点から、贈与で不動産を取得した際に知っておくべき税金の種類、確定申告のポイント、さらには将来売却する際の注意点までを詳しく解説します。大切な不動産を後悔なく受け継ぎ、適切に管理していくために、ぜひ最後までお読みください。

I. 導入:贈与で不動産を取得したあなたへ!確定申告前の重要チェックリスト

1.1. 増える不動産贈与のケース:親から子へ、夫婦間での移転など

近年、相続税対策や、元気なうちに資産を渡したいという想いから、親から子へ、あるいは夫婦間で不動産を贈与するケースが増えています。特に、若いうちに不動産を贈与しておくことで、将来のライフプラン設計に役立てる目的で、贈与を選択される方もいらっしゃいます。

しかし、不動産の「贈与」は、単に名義が変わるだけではありません。「もらう側(受贈者)」には、その行為によって発生する様々な税務上の責任が伴います。

1.2. 贈与の喜びと、忘れがちな「税」の落とし穴

不動産を贈与された喜びや安心感は大きいものですが、同時に、その複雑な税務処理は見落とされがちです。贈与税だけでなく、不動産取得時にかかるその他の税金、そして将来その不動産を売却する際に影響する税金など、多岐にわたる知識が必要となります。

「知らなかった」では済まされないのが税金の世界。確定申告を怠ったり、誤った内容で申告したりした場合、税務署からの指摘や、場合によっては加算税などのペナルティが課されるリスクもあります。

1.3. この記事でわかること:後悔しない税務処理のために

この記事では、不動産を贈与で取得した際に直面する税務の疑問を解消するため、以下のポイントを網羅的に解説します。

  • 贈与時にかかる主要な税金の種類
  • 贈与税の確定申告が必要なケースと手続き
  • 将来の売却時に大きく影響する「取得費」の問題
  • 利用できるお得な贈与税の特例・控除
  • 司法書士と税理士が連携するメリット

読み終える頃には、ご自身の状況を整理し、適切な税務処理を行うための道筋が見えてくるはずです。

II. まずは基本!贈与で不動産を取得した際にかかる税金

不動産を贈与で取得した場合にかかる税金は、贈与税だけではありません。主に以下の3つの税金が発生します。

2.1. 贈与税の基本:暦年課税と相続時精算課税制度

不動産の贈与を受けた際に最も直接的に関係するのが「贈与税」です。贈与税には、大きく分けて2つの課税方式があります。

暦年課税

年間(1月1日~12月31日)に贈与された財産の合計額が110万円の基礎控除額を超える場合に課税されます。この基礎控除内で贈与が行われれば、贈与税はかかりません。しかし、後述する特例を適用して贈与税がゼロになる場合でも、申告が必要なケースがあります。

相続時精算課税制度

原則として60歳以上の父母または祖父母から、20歳以上の子または孫へ贈与する場合に選択できる制度です。贈与財産の合計額が2,500万円までは贈与税がかかりません。2,500万円を超えた部分には一律20%の贈与税が課税されます。この制度を選択した場合、贈与された財産は、贈与者が亡くなった際に相続財産に合算され、相続税で精算されることになります。将来の相続税額に影響するため、選択は慎重に行う必要があります。

2.2. 贈与税以外の税金も忘れずに!

贈与税以外にも、不動産を取得した際には以下の税金がかかります。

  • 不動産取得税: 不動産を取得した際に、その不動産が所在する都道府県に納める税金です。贈与の場合も課税対象となります。税額は「固定資産税評価額 × 税率」で計算され、住宅用の場合は軽減措置があります。
  • 登録免許税: 不動産の所有権が移転したことを法務局に登記する際に課される国税です。贈与の場合の税率は、固定資産税評価額の20/1000(2%)です。司法書士に登記を依頼する場合、登記費用の一部となります。
  • 固定資産税・都市計画税: 不動産を取得した後、毎年1月1日時点の所有者に対して課税される税金です。贈与の翌年から新たな所有者に納税義務が発生します。

III. 確定申告の前にココをチェック!贈与税申告のポイント

贈与税の確定申告は、適切な税務処理を行う上で非常に重要です。

3.1. 贈与税の確定申告が必要なケース

  • 基礎控除額(110万円)を超える贈与があった場合
  • 特例を適用して贈与税がゼロになる場合(例:おしどり贈与など)でも、その特例適用のために申告が必要

3.2. 申告期間と提出先

  • 申告期間: 贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日まで
  • 提出先: 贈与を受けた方(受贈者)の住所地を管轄する税務署

3.3. 必要書類をリストアップ!漏れなく準備するために

贈与税の確定申告には、多くの書類が必要です。主なものは以下の通りです。

  • 贈与税申告書
  • 贈与契約書
  • 不動産の登記事項証明書
  • 固定資産評価証明書
  • 戸籍謄本・住民票
  • 本人確認書類
  • その他、特例適用に必要な書類

3.4. 評価額の算出方法:不動産の評価はどうする?

贈与税を計算する際の不動産の評価額は、原則として以下の基準に基づきます。

  • 土地: 国税庁が定める「路線価」または「倍率方式」
  • 建物: 各市町村が定める「固定資産税評価額」

IV. 将来売却する時に大違い!取得費の引き継ぎと譲渡所得税

不動産を贈与で取得した際に、最も見落とされがちなのが、将来その不動産を売却する際に発生する「譲渡所得税」に関する問題です。

要注意!贈与された不動産の「取得費」問題とは?

不動産を売却して利益が出た場合にかかる税金を「譲渡所得税」と言います。この税金を計算する際に重要なのが「取得費」です。取得費とは、その不動産を購入したときの費用(購入代金や仲介手数料など)のことです。

贈与で取得した不動産の場合、その不動産の「取得費」は、贈与を受けた時点の不動産評価額ではなく、「贈与者がその不動産を取得した時の価格」を引き継ぐことになります。

4.2. 譲渡所得税の計算シミュレーション:取得費が低いとどうなる?

譲渡所得税は、基本的に以下の式で計算されます。
(売却価格 − 取得費 − 譲渡費用)× 税率 = 譲渡所得税

【例】親が30年前に500万円で取得した土地(取得費500万円)を子に贈与し、子がその土地を10年後に3,000万円で売却した場合

  • 子の取得費は、親の取得費である500万円を引き継ぎます。
  • 譲渡所得は「3,000万円 − 500万円 = 2,500万円」となり、この2,500万円に対して譲渡所得税が課税されます。

将来の売却時に予想外に高額な税金が発生するリスクがあるため、十分な注意が必要です。

4.3. 相続時精算課税制度の選択肢と取得費

相続時精算課税制度を選択した場合も、将来その不動産を売却する際の取得費は、贈与者がその不動産を取得したときの価格を引き継ぎます。この制度を利用したからといって、取得費の計算が変わるわけではない点にご留意ください。

V. 賢く節税!贈与税の特例・控除を活用しよう

贈与税には、特定の要件を満たすことで税負担を軽減できる特例や控除があります。これらを賢く活用することで、節税に繋がります。

5.1. 夫婦間の居住用不動産の贈与(おしどり贈与)

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産などを贈与する場合、基礎控除110万円に加えて、最高2,000万円まで贈与税が非課税となる特例です。この特例は、贈与税額がゼロになる場合でも、必ず税務署への申告が必要です。

5.2. 住宅取得等資金の贈与

親や祖父母から、子や孫に対して、マイホームの新築・購入等の資金として贈与する場合、一定の金額(省エネ等住宅の場合、最大1,000万円など)まで贈与税が非課税となる特例です。

VI. 専門家との連携がカギ!司法書士と税理士の役割

不動産の贈与は、税務と登記の両面から専門的な知識が必要となります。司法書士と税理士が連携することで、お客様はスムーズかつ正確な手続きを進めることができます。

専門家主な役割
司法書士
  • 贈与による所有権移転登記申請の代理(名義変更)
  • 贈与契約書など登記に必要な書類の作成
  • 登録免許税の計算と納付手続き
税理士
  • 贈与税額の計算と贈与税申告書の作成
  • 各種特例・控除の適用に関するアドバイス
  • 将来の譲渡所得税を見据えた税務戦略の提案

6.3. 連携の重要性:ワンストップでスムーズな手続きを

司法書士と税理士が密に連携することで、お客様は登記手続きと税務申告の両面から、最も有利で正確な手続きを進めることができます。当事務所では、信頼できる税理士と連携しており、不動産の贈与に関する登記から税務まで、ワンストップでサポートを提供することが可能です。

VII. まとめ:贈与不動産の税務処理は計画的に、そして早めの相談を

7.1. 押さえておくべき重要ポイントの再確認

  • 贈与時には贈与税・不動産取得税・登録免許税がかかります。
  • 贈与税には暦年課税相続時精算課税制度があります。
  • 特例を適用して贈与税がゼロになる場合でも、確定申告が必要なケースがあります。
  • 将来売却する際、贈与者の「取得費」を引き継ぐため、高額な譲渡所得税が発生する可能性があります。
  • おしどり贈与などの特例を積極的に活用し、節税に努めましょう。

7.2. 後回しは厳禁!早めの相談があなたを守る

「何から手をつければいいか分からない」「手続きが複雑で不安」と感じる方も多いでしょう。そんな時こそ、専門家に早めに相談することが、余計な手間やコストを削減し、安心して手続きを進めるための最善策です。

7.3. 当事務所があなたの不安を解消します!

当司法書士事務所では、贈与による不動産の名義変更(所有権移転登記)に関するご相談から、必要書類の収集・作成、法務局への申請代理まで、一貫してサポートいたします。また、贈与税申告については、信頼できる税理士と連携し、お客様の状況に合わせた最適なアドバイスと手続きをサポートいたします。

まずはお気軽にご相談ください

大切な不動産を適切に次の世代へ、あるいはご夫婦間で安心して引き継いでいくために、私たち専門家が全力でサポートさせていただきます。贈与登記や贈与税に関するご不明な点、ご不安な点がございましたら、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 和田正俊事務所 代表和田 正俊(Wada Masatoshi)

  • 滋賀県司法書士会所属 登録番号 滋賀第441号
  • 簡裁訴訟代理関係業務 認定番号 第1112169号
  • 滋賀県行政書士会所属
    登録番号 第13251836号会員番号 第1220号
  • 公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート滋賀支部所属
    会員番号 第6509213号
    後見人候補者名簿 及び 後見監督人候補者名簿 搭載
  • 法テラス契約司法書士
  • 近畿司法書士会連合会災害相談員

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