【民事法律扶助の改正について】

【民事法律扶助の改正について】

民事法律扶助制度の重要改正ポイント(2024年4月1日施行)

2024年4月1日より、民事法律扶助業務における重要な改正が施行されました。特に養育費請求や婚姻費用の分野で大きな変更があります。当事務所は法テラスと提携しており、これらの新制度を利用した手続きのサポートが可能です。

改正の主なポイント:

  • 将来養育費に対する報酬金の立替制度の新設
  • 養育費等からの即時償還充当額の見直し
  • ひとり親に対する償還免除の特例

1. 将来養育費に対する報酬金の立替

これまで過去の未払い養育費に対する報酬金の立替えはありましたが、今回の改正では将来支払われる養育費についても報酬金の立替制度が新設されました。

対象となるケース:

  • 養育費に関する債務名義を取得した場合
  • 支払合意書を取得し、実際に履行がなされた場合

重要な条件:

  • 報酬金の上限は13万2000円まで
  • 上限を超える部分は被援助者が直接支払う
  • 令和6年4月1日以降の養育費・婚姻費用の支払いが対象

具体例

例えば、離婚調停で毎月5万円の養育費支払いが決まり、実際に支払いが始まった場合、弁護士・司法書士への報酬金(成功報酬)の一部が法テラスから立て替えられます。これにより、養育費請求の法的手続きを経済的理由で諦めることなく進められるようになります。

2. 養育費等からの即時償還充当額の見直し

即時償還充当の緩和

従来は、養育費請求の手続き中に実際に養育費が支払われた場合、その一部を法テラスへの立替金返済(即時償還充当)に充てる必要がありました。改正後は、援助終結決定までに入金された養育費のうち一定額までは即時償還充当が不要となります。

対象となる養育費

この改正により、未払い養育費や月々の養育費について、原則として即時償還充当を行わなくてもよくなります。これは、子どもの生活費としての養育費の重要性を考慮した措置です。

3. ひとり親の償還免除に関する新規定

ひとり親特例免除の新設

生活保護に準ずる程度に生計が困難であると認められるひとり親に対して、養育費請求等特定事件の立替金の償還が免除される可能性があります。

通常の準生活保護免除との違い:

  • 「資力回復困難要件」を問わない点が大きな特徴
  • 将来的に資力が回復する見込みがあっても免除の対象となり得る
  • ひとり親家庭の経済的負担を軽減する目的がある

改正の意義

子どもの権利保障

養育費は子どもの健全な成長に不可欠な資金です。この改正により、より多くの子どもたちが適切な養育費を受け取れる環境が整います。

ひとり親支援の強化

経済的に困難な状況にあるひとり親家庭に対する支援が強化され、法的手続きへのアクセスが向上します。

法的支援の公平性向上

経済的理由で法的手続きを諦めざるを得なかった方々にも、適切な法的支援が届けられるようになります。

当事務所のサポート

当事務所は法テラス(日本司法支援センター)と契約を取り交わしており、民事法律扶助制度を利用した手続きを積極的に受任しています。養育費請求や離婚関連の手続き、その他法律問題でお悩みの方は、ぜひご相談ください。

経済的にお困りの方でも、民事法律扶助制度を利用することで、弁護士・司法書士費用の立替えを受けながら必要な法的手続きを行うことができます。今回の改正により、特にひとり親家庭の方々にとって、より利用しやすい制度となりました。

法テラス(民事法律扶助)を利用したご相談

民事法律扶助制度を利用した養育費請求や各種法律手続きについてのご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。初回相談では、民事法律扶助制度の利用可能性も含めて詳しくご説明いたします。

司法書士・行政書士和田正俊事務所

住所:〒520-2134 滋賀県大津市瀬田5丁目33番4号

電話番号:077-574-7772

営業時間:9:00~17:00

定休日:日・土・祝

各種手続きガイドに関連する記事

司法書士と法律扶助活用術の画像

法律扶助活用マニュアル:司法書士だからできる!地域に根差した支援の第一歩

【地域貢献】司法書士が知るべき法律扶助の活用術。所有者不明土地問題解決にも繋がる、支援の第一歩を解説。
氏名の署名は名字だけ、下の名前だけでもいいのでしょうか?の画像

氏名の署名は名字だけ、下の名前だけでもいいのでしょうか?

署名は個人の同意を証明するため、フルネームが基本です。ただし、非公式な文書においては名字や下の名前だけの署名も受け入れられることがあります。デジタル署名の普及も進む中、署名の方法選択は状況に応じた適切な判断が求められます。
簡易裁判所でのウェブ会議利用の可能性とその利点の画像

簡易裁判所でのウェブ会議利用の可能性とその利点

ウェブ会議を簡易裁判所で活用することで、司法制度はより柔軟でアクセスしやすいものとなりました。移動の負担を軽減し、より多くの人が司法サービスを受けられるようになりますが、技術的なサポートやセキュリティ対策の充実が求められます。デジタル化は進む中、これらの課題を越えてさらに普及が進むでしょう。