初めての相続手続きQ&A遺言書作成に関するよくある質問
遺言書は大切な財産や想いを残すための最良の方法です。遺産分割のトラブル防止や家族の負担軽減のためにも、早めの作成をおすすめします。ここでは遺言書作成の目的や種類、作成手順、公正証書遺言と自筆証書遺言の違い、作成時の注意点、遺言が見つかった場合の対応、遺言執行者や遺留分の考え方、保管制度や「付言事項」まで、遺言書に関する疑問をQ&A形式でわかりやすく解説します。
なぜ遺言書を作成した方が良いのですか?
遺言書があればご本人の意思で相続財産の配分を指定でき、遺産分割を巡る相続人間のトラブルや手続きの複雑化を予防できます。家族の負担軽減や、特定の人への想いを形にする効果もあります。
遺言書にはどのような種類がありますか?
主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類です。実務上は自筆証書および公正証書遺言が多く用いられています。
自筆証書遺言と公正証書遺言の違いは何ですか?
自筆証書遺言は全文・日付・署名を自筆で書く方式で、費用がかからず簡単ですが無効になりやすく紛失・偽造のおそれもあります。公正証書遺言は公証人が作成し原本を保管するので、確実かつ安全です(費用が必要)。
公正証書遺言の作成手順を教えてください。
①事前準備(財産・相続人の調査、内容検討)、②公証役場へ必要書類・身分証を持参し、証人2人とともに作成内容を公証人に伝え、③公証人が作成、④その場で読み聞かせ確認、⑤署名・押印で完成、となります。
公正証書遺言の作成費用はどのくらいかかりますか?
財産額や相続内容に応じて異なりますが、目安として数万円~十数万円、財産額が大きい場合には数十万円になることもあります。また司法書士等に起案等を依頼する場合は別途報酬が必要です。
自筆証書遺言をPCで作成しても有効ですか?
無効です。自筆証書遺言は全文・日付・氏名をすべて自筆で書く必要があります。パソコンやワープロ打ちは目録以外認められません。
遺言書を作成する際の年齢制限はありますか?
満15歳以上であれば遺言書を作成できます。成年であれば制限行為能力者でない限り、15歳以上であれば遺言書を作成することができます。
認知症になっても遺言書を作成できますか?
遺言の内容を理解し判断する能力(意思能力)がある場合のみ有効です。進行した認知症では無効と判断されることが多いので、できるだけ早めが望ましいです。
夫婦で一枚の遺言書を作成することはできますか?
できません。遺言は1人につき1通が原則です。夫婦共同の遺言は法律で無効とされています。必ず、個別に作成してください。
遺言書の内容を途中で変更・撤回することはできますか?
はい、できます。何度でも内容の変更や新たな遺言の作成が可能です。いつでも撤回でき、最新の日付の遺言が有効となります。
遺言執行者とはどのような役割ですか?
遺言の内容を実現するために手続きを行う代理人です。不動産登記や預貯金の解約、分配などを担当します。相続人の中から、または司法書士等の専門家を指定することができます。
遺言書が見つかったら、まず何をすべきですか?
法務局保管以外の自筆証書遺言の場合は家庭裁判所で「検認」手続きが必要です。封がされている場合は、勝手に開封してはいけません。法務局で保管されている自筆証書遺言、公正証書遺言の場合は検認不要ですが、内容確認後、相続手続きへ進みます。
「検認手続き」とは何ですか?なぜ必要ですか?
家庭裁判所で遺言書の現状を確認し、偽造や変造を防ぐための手続きです。遺言の有効性を審査するものではありません。自筆証書遺言を手続きに使うには必須です。
遺言書で相続人以外の人に財産を渡せますか?
はい、可能です。例えば孫や友人、介護者へ遺贈(遺言による贈与)することもできます。ただし、相続人の「遺留分」を侵害する場合は注意が必要です。
遺留分とは何ですか?遺言書で侵害できますか?
遺留分とは、一定の相続人(配偶者・子・父母等)に最低限認められる遺産の割合です。遺言によって侵害しても、遺留分を請求されれば一部返還が必要になることがあります。
自筆証書遺言を法務局に保管する制度(保管制度)のメリットは?
遺言書を安全に保管でき、紛失や改ざんを防げます。また、家庭裁判所の検認が不要になるため手続きがスムーズです。2020年からスタートした制度です。
遺言書の保管を司法書士に依頼できますか?
はい、可能な司法書士事務所もあります。法的保管制度を利用する場合は法務局での手続きとなりますが、内容チェックや書類保管を司法書士がサポートできます。
「付言事項」とは何ですか?法的効力はありますか?
ご家族への感謝や、相続人へのお願いなど遺言の主旨に添える自由記載欄です。法的効力はありませんが、遺産分割の意図やご本人の思いを伝えることができます。
祭祀財産(お墓や仏壇)の承継者を遺言で指定できますか?
はい、指定できます。遺言で指定がない場合は慣習や家庭裁判所の判断となりますが、明確に指定すれば希望通りの承継が可能です。
作成した遺言書に有効期限はありますか?
有効期限はありません。作成後にご本人が亡くなるまで有効です。ただし、新たに遺言書を作成した場合や状況が変わった場合には、内容の見直し・変更がおすすめです。
よくあるご質問に関連する記事

