悪質ホストクラブへの新たな規制強化—改正風営法の影響

2025年5月20日、衆議院本会議にて悪質なホストクラブへの新たな規制と罰則強化を盛り込んだ改正風俗営業法が可決・成立しました。この改正は、恋愛感情を利用して女性客に高額料金を請求する営業手法や、客を困惑させる行為を取り締まるためのものです。司法書士として、この法律の成立がどのような影響を与えるのかを詳しく考察します。
改正風営法の背景と目的
ホストクラブをめぐる問題は深刻化しており、女性客が高額請求を受け、多額の借金を抱えさせられるケースが増えています。その借金返済のために、時に女性たちは売春や性風俗店での就労を余儀なくされる事態も生じています。こうした社会問題を背景に、改正風営法ではホストクラブ業界に対する規制が強化されました。
主な改正内容
色恋営業の禁止:
- 恋愛感情を利用して客を困惑させる営業手法が禁止され、違反者には営業停止などの行政処分が課されます。
- この規制は、客の不利益を防ぐための重要な措置です。
売掛金に基づく脅迫規制:
- 客に未払いの飲食代を払わせるために脅したり、困惑させる行為が制限されます。これに違反した場合、6か月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金が科されます。
スカウトバックの禁止:
- 性風俗店がホストやスカウトに紹介料を支払うことが禁止され、この行為も同様に罰則の対象になります。
無許可営業に対する厳しい罰則:
- 無許可で営業を行った場合、個人には最大1000万円、法人には最大3億円の罰金が科されます。この罰金引き上げは、無許可営業を断つための強力な抑止力と期待されています。
司法書士ができること
この法改正により、司法書士が果たすべき役割も変化しています。特にホストクラブの登記や許可申請などの法的手続きにおいて、適切なアドバイスとサポートが求められることになります。また、違反行為に関する相談が増加することも予想され、法律に基づいた支援が必要とされます。
今後の影響
改正風営法は、悪質なホストクラブの営業を抑制し、公正な取引を促進するもので、健全な業界形成に寄与することが期待されています。法律の施行は公布から1か月後となるため、関係者は早急に対応準備を進める必要があります。
まとめ
改正風営法は、ホストクラブ業界の透明性を高め、女性客の権利を守るための重要な枠組みとなります。依頼者の利益を守るために、司法書士としても積極的に法律遵守を支援し、違反行為の防止に寄与していく必要があります。業界内の各プレイヤーと共に、安心して利用できる環境の構築を目指しましょう。
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この記事を書いた人

司法書士・行政書士 和田正俊事務所 代表和田 正俊(Wada Masatoshi)
- 滋賀県司法書士会所属 登録番号 滋賀第441号
- 簡裁訴訟代理関係業務 認定番号 第1112169号
- 滋賀県行政書士会所属
登録番号 第13251836号会員番号 第1220号 - 公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート滋賀支部所属
会員番号 第6509213号
後見人候補者名簿 及び 後見監督人候補者名簿 搭載 - 法テラス契約司法書士
- 近畿司法書士会連合会災害相談員
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