登録免許税の軽減措置:新築住宅取得者必見の特例制度
国土交通省住宅局からの周知依頼に基づき、新築住宅の取得者にとって大変有益な税制優遇制度についてご案内いたします。登記実務を担当される方や新築住宅の購入をご検討の方は、ぜひご確認ください。
重要ポイント:
- 新築住宅の所有権登記時に登録免許税が大幅に軽減されます
- 長期優良住宅や低炭素住宅はさらに優遇税率が適用されます
- 適用期間は令和9年(2027年)3月31日まで延長されました
- 申請には「住宅用家屋証明書」の取得が必要です
制度の概要
国土交通省住宅局が周知を依頼している制度は、以下の2つの制度の総称です:
- 住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置
- 認定住宅の所有権の保存登記等に係る軽減措置
これらの制度は、新築住宅取得の際の負担を軽減するため、市区町村が発行する「住宅用家屋証明書」を添付して住宅用家屋の所有権の保存登記及び移転登記を申請することによって、登録免許税の税率を通常より大幅に軽減するものです。
税率の軽減内容

税率比較
所有権保存登記(建物の表示登記後に行う所有権の登記):
- 通常税率:0.4%
- 一般住宅:0.15%(約62%軽減)
- 長期優良住宅・低炭素住宅:0.1%(約75%軽減)
所有権移転登記(売買による所有権の移転):
- 通常税率:2.0%
- 一般住宅:0.3%(約85%軽減)
- 長期優良住宅・低炭素住宅:0.1%(約95%軽減)
このように、一般住宅でも大幅な軽減が受けられますが、長期優良住宅や低炭素住宅はさらに税率が低く設定されています。これは、耐震性や省エネ性などに優れた高品質な住宅の普及を促進するための政策的措置です。
適用期間の延長
令和9年(2027年)3月31日まで延長
この制度はもともと令和6年(2024年)3月31日までの予定でしたが、令和6年度税制改正により、3年間延長されました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響による新築住宅市場の冷え込みや、長期優良住宅・低炭素住宅の普及率がまだ十分ではないことを考慮した措置です。
申請手続きの注意点
重要:「住宅用家屋証明書」の事前取得
登録免許税の特例を受けるためには、登記申請前に「住宅用家屋証明書」を取得する必要があります。この証明書は、当該住宅が本制度の対象であることを証明するもので、物件所在地の市区町村で発行されます。
特に低炭素住宅については、認定実績と特例適用実績の間に大きな乖離があり、制度認知度の低さによって本来特例を受けられる方が申請に至っていないケースが多いとされています。
特に「低炭素住宅」に注目
国土交通省では、特に低炭素住宅の特例制度を広く周知するためにパンフレットを作成しています。このパンフレットは、事業者や消費者に対して本制度のメリットや手続き方法などを分かりやすく説明しています。
低炭素住宅とは、「都市の低炭素化の促進に関する法律」に基づき、CO2の排出の抑制に資する建築物として認定を受けた住宅のことです。省エネ性能に優れた住宅であり、光熱費の削減や環境負荷の低減などのメリットがあります。
当事務所のサポート
当事務所では、建物を購入されるとき、新築建物を登記させていただくときは、この制度を積極的に活用させていただいています。登録免許税の軽減措置は、数十万円単位の節税効果が期待できる場合もありますので、新築住宅の登記をご検討の際はぜひご相談ください。
住宅用家屋証明書の取得手続きや、長期優良住宅・低炭素住宅の認定申請に関するアドバイスも承ります。
新築住宅の登記についてのご相談
登録免許税の軽減措置の適用や新築住宅の登記手続きについてご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。専門的な知識と経験を活かし、最適なアドバイスをご提供いたします。
司法書士・行政書士和田正俊事務所
住所:〒520-2134 滋賀県大津市瀬田5丁目33番4号
電話番号:077-574-7772
営業時間:9:00~17:00
定休日:日・土・祝
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