相続財産がわからない、相続人の一人が行方不明になっている、相続人が失踪しているという状況は、現代社会において決して珍しくないものです。
しかし、このような場合には、相続の手続きが非常に複雑になります。どのように対処すればよいのでしょうか?
相続財産がわからない場合
まず、相続財産がわからない場合には、遺産分割協議をする前に、遺産目録を作成する必要があります。遺産目録とは、遺された財産の種類や価値を記載した書類です。遺産目録を作成するには、故人の住居や金庫を確認したり、銀行や証券会社などに問い合わせたりする必要があります。また、故人が加入していた保険や年金なども調査する必要があります。遺産目録を作成することで、相続財産の全体像が明らかになります。
相続人が行方不明の場合
次に、相続人の一人が行方不明になっている場合や相続人が失踪している場合には、その相続人の権利をどう扱うかが問題になります。通常は、その相続人の存在を前提として遺産分割調停を行います。しかし、その相続人が見つからない場合や連絡が取れない場合は、その相続人の分を供託金として法務局に預けることを前提に、裁判所に審判を求めます。
また、その相続人が死亡したと推定される場合や相続放棄した場合は、失踪宣告や相続放棄の受理を申立てることで、その相続人の分を他の相続人に分配することができます。ただし、これらの手続には裁判所の関与が必要です。
まとめ
このように、親類縁者との連絡が取れない、身寄りのない方の死亡に際して生じる問題は多岐にわたります。
しかし、これらの問題は一概に法律だけで解決できるものではありません。
孤独死は社会的な問題でもあります。
孤独死を防ぐためには、終活やおひとり様の実務に携わる実務家と協力して、生前に準備をすることが大切です。
本ブログでは、実際の相続の現場で起こった悩ましいご経験を紹介しながら、必要な実務や手続きを解説しました。相続に関するお悩みやご質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。